オリジナル創作長編『Solid color』連載中。
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さて、初となる更新は無地第一章です。
今はほのぼのストーリーですが、ね。
そのうちシリアスになる予定です。
本ブロにリンクしようか迷ってたけど恥ずかしいからやっぱやめよう。
コメントはできないので雑記ブログの方にでもってことで(^ω^)
そんでもって続き機能が使えないから長いよ!(
----------
何もない、平凡な日常。
僕は変化を求めていた。
何か、何かが突然、この平凡な教室に炎を纏って飛び込んできたら…なんて。廚二病な考え。これだから僕は。いじめられるわけだ。
「おーい、十次?」
「へ、あ、な、何…」
「次、移動教室。早く行こうぜ」
「あ、う、うん…」
まただ…。またくだらないことを考えているうちに授業が終わってる。
ていうか…
「なんで、僕…?」
「はあ?」
「だって、西野くん友達いっぱいいるし、僕なんかと付き合ってたら、西野くんも…」
「なーに言ってんだよ!全く…これだからいじめられっ子はネガティブで困るぜ…」
「ご、ごめん…」
「つか心配いらねえし」
「へ?」
「だって俺、友達いっぱいいるからな!なーんて」
「…は、はは」
そうだ。彼は僕とは違う。
僕は、彼の傍にいても、彼になんの影響も与えない。無害な存在。存在、しない。
「お前…」
「?」
「笑うの下手だな」
「あ…」
そう。僕は笑うのが下手なんだ。だって何も面白いことがないから。
学校でも独り。家でも独り。でも別に生活に苦はないし、いじめられてると言っても、仲の良い友達がいないだけで、暗い印象をみんなが持ってるだけで、別に身体的や精神的に苦痛もない。
こんな日常はもううんざりだ。そうだ。今日この日を期に僕は変わろう。西野くんやその取り巻きの子たちと友達になって、普通な生活を送るんだ。まあ僕にとっては今の生活が十分普通…だ…け…
「ど…?」
僕が思考を巡らせながら、移動教室の準備をし、西野くんの後について教室を出て行く瞬間。その瞬間。ふと見た窓の外には、
「炎を纏った…何か…」
それは、
「人だ!」
クラスの誰かが言った。誰かはわからない。声だけだもの。喋ったことないし。
キャー!ワー!と、みんが口々に叫ぶ。でもそこに、不思議と恐怖は感じられなかった。
僕が恐怖を感じたのは、それから少し後のこと。
「おい!十次!何してんだよ!早く逃げるぞ!」
「え、でも…みんなが…」
しかしその時にはもう既に、教室中が血と炎の赤に染まっていた。清々しいくらいに。
なぜそんな場所にいて、僕も西野くんもあんなに冷静でいられたのか。そんなことを考えている余裕は、流石になかった。
「いいから逃げるぞ!」
「逃げる?…何から?」
「は?そんなん炎からに決まってんだろ!」
「あ…そっか」
逃げなければ。そう脳は思ってる。
だけど、体は動こうとしないし、逆にどうでもいい質問をしたり、阿呆くさい発言ばかりしている。
なんなんだよ僕は。ほら、西野くん困ってる。段々怒ってるよ…。ほら…ポケットから……サバイバルナイフが…
「え!?」
反応が遅すぎた。つくづく自分が嫌になる。
気付いた時にはもう西野くんの顔は見えず、目の前では刀身に炎を映したサバイバルナイフと思しき物体が黙々と僕の脳天を狙っていた。
が、サバイバルナイフが僕を貫くことはなかった。
「目標を殺しにかかるたあ…思いきりすぎだろ」
赤い髪。黒いジャケット。黒いハット。他はよくわかんなかったけど、とりあえず男の人だ。
「ま、端っからガキでガキ殺るっつー作戦が悪かったわけよ。つーことで俺の勝ち」
言ってることは良くわかんなかったけど、男が何をしたかはわかった。
男の台詞が終わったと同時に、目の前に現れたのは血を噴き出す西野くんの体。
目は死んでる。そりゃそうか。
右手に持ったサバイバルナイフは、一瞬のうちに音を立てて床に落ちた。
カラン。
その音で、目が覚めた。
「…う、うわ、うわああああああああああああああああああ!」
一心不乱に叫んだ。こんな大声出したの、生まれた時以来だと思う。
でも僕の渾身の叫びが西野くんやその他諸々の生徒たちに伝わることはなく、代わりに返ってきた声は、返り血の付いた薄い唇から発せられたものだった。
「…っせえな」
そう言って男は、僕に睨みを効かせた。
怖かった。だから自然に声も出なくなった。
「ああああああああああああああ…あ、ああ…あ…」
「そうだ、それでいい、黒須十次」
何故も僕の名前を知っているのか。そんな疑問はとりあえず捨てた。
男は満足げに言うと、胸ポケットからタバコを1本取り出しながら傍に合った机に腰掛けると、隣で教科書に引火して燃え上がっている炎でタバコに火を付けた。
本当に僕は最低だ。男がタバコを吸い始めると同時に、僕は既に落ち着きを取り戻していた。
「…ふっ、流石は黒の能力者。冷めてやがるぜ、心が」
「冷めてる…?でも、僕は人を殺したりなんかしない」
何を言っているのか自分でもわかんなかったけど、言わずにはいられなかった。
「それはつまり、人を殺す俺の方がよっぽど心が冷めていると、そう言いたいのか?」
「…多分」
「多分て」
男は半分呆れながら、色んなことを僕に話した。
炎の中で話しているのに、不思議と暑さを感じなかった。
それほどまでに男の話に聞き入っていたのか、それとも、男が炎の温度を調節していたのか。
「…というわけだ」
「……」
返事はせずに、頷いた。声が上手く出ない。多分凄く驚いたから。
男の話によるとこうだ。
僕が通ってる(正式には通っていた)この楠学園は、政府の傘下にあるらしく、政府は『能力者』と呼ばれる特殊な人種を見つけ、捕獲した後処分するという活動をしているのだそうだ。
能力者は主に小中高生に多く覚醒が見られるらしく、そのため都内私立でも指折りの人気校である楠学園は、総理大臣から直々に、能力者摘出の命を受けているとのこと。この能力者摘出活動を行っている学校は、日本全国に約400校程あり、楠学園は人数その他諸々において400校の頂点に君臨しているらしい。ちなみに小中高一貫校である。
「今も各地で能力者狩りは行われている。そして日に日に能力者人口は減る一方だ」
「でも、国がそんなに必死になってやるっていうことは、能力者って随分と危険な存在ってことじゃないんですか?」
「そう思うか?」
「まあ…一応僕も一国民ですし」
「じゃあお前はお前を危険と思うか?」
「へ?僕?」
「そうだお前だ」
「僕は…って、そりゃ自分のこと危険だと思ったら自首するか自殺するでしょう」
「お前結構凄まじい考え方するな」
「そう…ですか?」
「だがまあその答えは正しい。つまり人は、自分自信を危険だとは思わない」
だから能力者狩りには問題があると、男は言った。
能力者は、自分が能力者だということに覚醒してもしばらくは気付かない。そしてそのしばらくの間に能力者狩りによって殺されるのだという。つまり、
「端から見れば、何の罪もない子供たちを殺している…と」
「そういうことだ。つか、まあ俺たちの目的とはちょっとずれてるんだけどな」
「…?」
俺たちとは誰たちなのか若干気になる節はあったが、そこは空気を読んでスルーしておいた。というか空気を読むどころか空気が悪い。外も五月蝿い。
「パトカーの音が…」
「何?まじか。やべえな…よし、逃げるぞ」
「逃げるって、何処へ…」
「俺たちの拠点だ。心配すんな、結構広いし綺麗だぜ」
「はあ…」
そして僕は男に連れられ、3階の窓から飛び下りたのであった。
「あの」
「ああ?」
僕はその後、先に着地した男に見事キャッチされ、抱きかかえられたまま学校から数十メートル離れた駐車場に連れて行かれた。しかし足が異常に早い。これも能力者の力なんだろうか。
今は駐車場にあった男のバイクの後ろに乗せられ、高速道路を横断している。
そして未だにわかっていないことが1つ。
「散々色々話していただいたじゃないですか?」
「ああ」
「でも一つだけまだわからないことがあってですね」
「おう」
「教えていただきたいなー…なんて」
「……」
何故黙るのか。わかんないのかな、僕の言ってること。ちょっと遠回りすぎただろうか…。
「その…」
「赤阪龍王だ」
「へ?」
「名前。聞きたいんだろ?」
「ああ…はい。じゃあ…」
「あー、間違ってもアカサカサンとか呼ぶなよ。どっかの二丁目マラソンみてえで気持ち悪い」
「はあ…。じゃあ、龍王さんで」
「それでいい。黒須十次」
「……」
「おい、返事はどうした?お前の名前だろ?黒須十…」
「あの、あんまりその名前、好きじゃないんです」
そう、好きじゃない。だって…
「なんでだよ。良い名前じゃねえか。こう…十字架みてえな…」
「だから嫌いなんですよ」
だって、いつもこの名前のせいでからかわれる。クロスジュウジ。まるで十字架そのものだ。
本当、親のセンスを疑うね。
「…じゃあそのせいでいじめられてたわけだ」
「多分それ以外にも理由はあると思いますけど」
「ま、もうそんな生活ともバイバイだ」
「そう…ですね」
今になってちょっと実感湧いてきた。
僕が能力者になったせいで、西野くんやみんなは僕の捕獲を任され、僕がすぐに逃げなかったから、この男…龍王さんに殺された。
まだ飛沫した西野くんの血液が制服に付いたままだ。そりゃそうか。間接的に僕が殺したわけだし。
「何考えてるか知らねえが、もう割り切った方が得だぜ?ここから先、俺たちの本部に着けば、お前みたいな奴は山ほどいる」
「どういうことですか?」
「…行けばわかる」
大型の二輪バイクは音を立てて夜の高速道路を突っ切った。
To be continue....
今はほのぼのストーリーですが、ね。
そのうちシリアスになる予定です。
本ブロにリンクしようか迷ってたけど恥ずかしいからやっぱやめよう。
コメントはできないので雑記ブログの方にでもってことで(^ω^)
そんでもって続き機能が使えないから長いよ!(
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何もない、平凡な日常。
僕は変化を求めていた。
何か、何かが突然、この平凡な教室に炎を纏って飛び込んできたら…なんて。廚二病な考え。これだから僕は。いじめられるわけだ。
「おーい、十次?」
「へ、あ、な、何…」
「次、移動教室。早く行こうぜ」
「あ、う、うん…」
まただ…。またくだらないことを考えているうちに授業が終わってる。
ていうか…
「なんで、僕…?」
「はあ?」
「だって、西野くん友達いっぱいいるし、僕なんかと付き合ってたら、西野くんも…」
「なーに言ってんだよ!全く…これだからいじめられっ子はネガティブで困るぜ…」
「ご、ごめん…」
「つか心配いらねえし」
「へ?」
「だって俺、友達いっぱいいるからな!なーんて」
「…は、はは」
そうだ。彼は僕とは違う。
僕は、彼の傍にいても、彼になんの影響も与えない。無害な存在。存在、しない。
「お前…」
「?」
「笑うの下手だな」
「あ…」
そう。僕は笑うのが下手なんだ。だって何も面白いことがないから。
学校でも独り。家でも独り。でも別に生活に苦はないし、いじめられてると言っても、仲の良い友達がいないだけで、暗い印象をみんなが持ってるだけで、別に身体的や精神的に苦痛もない。
こんな日常はもううんざりだ。そうだ。今日この日を期に僕は変わろう。西野くんやその取り巻きの子たちと友達になって、普通な生活を送るんだ。まあ僕にとっては今の生活が十分普通…だ…け…
「ど…?」
僕が思考を巡らせながら、移動教室の準備をし、西野くんの後について教室を出て行く瞬間。その瞬間。ふと見た窓の外には、
「炎を纏った…何か…」
それは、
「人だ!」
クラスの誰かが言った。誰かはわからない。声だけだもの。喋ったことないし。
キャー!ワー!と、みんが口々に叫ぶ。でもそこに、不思議と恐怖は感じられなかった。
僕が恐怖を感じたのは、それから少し後のこと。
「おい!十次!何してんだよ!早く逃げるぞ!」
「え、でも…みんなが…」
しかしその時にはもう既に、教室中が血と炎の赤に染まっていた。清々しいくらいに。
なぜそんな場所にいて、僕も西野くんもあんなに冷静でいられたのか。そんなことを考えている余裕は、流石になかった。
「いいから逃げるぞ!」
「逃げる?…何から?」
「は?そんなん炎からに決まってんだろ!」
「あ…そっか」
逃げなければ。そう脳は思ってる。
だけど、体は動こうとしないし、逆にどうでもいい質問をしたり、阿呆くさい発言ばかりしている。
なんなんだよ僕は。ほら、西野くん困ってる。段々怒ってるよ…。ほら…ポケットから……サバイバルナイフが…
「え!?」
反応が遅すぎた。つくづく自分が嫌になる。
気付いた時にはもう西野くんの顔は見えず、目の前では刀身に炎を映したサバイバルナイフと思しき物体が黙々と僕の脳天を狙っていた。
が、サバイバルナイフが僕を貫くことはなかった。
「目標を殺しにかかるたあ…思いきりすぎだろ」
赤い髪。黒いジャケット。黒いハット。他はよくわかんなかったけど、とりあえず男の人だ。
「ま、端っからガキでガキ殺るっつー作戦が悪かったわけよ。つーことで俺の勝ち」
言ってることは良くわかんなかったけど、男が何をしたかはわかった。
男の台詞が終わったと同時に、目の前に現れたのは血を噴き出す西野くんの体。
目は死んでる。そりゃそうか。
右手に持ったサバイバルナイフは、一瞬のうちに音を立てて床に落ちた。
カラン。
その音で、目が覚めた。
「…う、うわ、うわああああああああああああああああああ!」
一心不乱に叫んだ。こんな大声出したの、生まれた時以来だと思う。
でも僕の渾身の叫びが西野くんやその他諸々の生徒たちに伝わることはなく、代わりに返ってきた声は、返り血の付いた薄い唇から発せられたものだった。
「…っせえな」
そう言って男は、僕に睨みを効かせた。
怖かった。だから自然に声も出なくなった。
「ああああああああああああああ…あ、ああ…あ…」
「そうだ、それでいい、黒須十次」
何故も僕の名前を知っているのか。そんな疑問はとりあえず捨てた。
男は満足げに言うと、胸ポケットからタバコを1本取り出しながら傍に合った机に腰掛けると、隣で教科書に引火して燃え上がっている炎でタバコに火を付けた。
本当に僕は最低だ。男がタバコを吸い始めると同時に、僕は既に落ち着きを取り戻していた。
「…ふっ、流石は黒の能力者。冷めてやがるぜ、心が」
「冷めてる…?でも、僕は人を殺したりなんかしない」
何を言っているのか自分でもわかんなかったけど、言わずにはいられなかった。
「それはつまり、人を殺す俺の方がよっぽど心が冷めていると、そう言いたいのか?」
「…多分」
「多分て」
男は半分呆れながら、色んなことを僕に話した。
炎の中で話しているのに、不思議と暑さを感じなかった。
それほどまでに男の話に聞き入っていたのか、それとも、男が炎の温度を調節していたのか。
「…というわけだ」
「……」
返事はせずに、頷いた。声が上手く出ない。多分凄く驚いたから。
男の話によるとこうだ。
僕が通ってる(正式には通っていた)この楠学園は、政府の傘下にあるらしく、政府は『能力者』と呼ばれる特殊な人種を見つけ、捕獲した後処分するという活動をしているのだそうだ。
能力者は主に小中高生に多く覚醒が見られるらしく、そのため都内私立でも指折りの人気校である楠学園は、総理大臣から直々に、能力者摘出の命を受けているとのこと。この能力者摘出活動を行っている学校は、日本全国に約400校程あり、楠学園は人数その他諸々において400校の頂点に君臨しているらしい。ちなみに小中高一貫校である。
「今も各地で能力者狩りは行われている。そして日に日に能力者人口は減る一方だ」
「でも、国がそんなに必死になってやるっていうことは、能力者って随分と危険な存在ってことじゃないんですか?」
「そう思うか?」
「まあ…一応僕も一国民ですし」
「じゃあお前はお前を危険と思うか?」
「へ?僕?」
「そうだお前だ」
「僕は…って、そりゃ自分のこと危険だと思ったら自首するか自殺するでしょう」
「お前結構凄まじい考え方するな」
「そう…ですか?」
「だがまあその答えは正しい。つまり人は、自分自信を危険だとは思わない」
だから能力者狩りには問題があると、男は言った。
能力者は、自分が能力者だということに覚醒してもしばらくは気付かない。そしてそのしばらくの間に能力者狩りによって殺されるのだという。つまり、
「端から見れば、何の罪もない子供たちを殺している…と」
「そういうことだ。つか、まあ俺たちの目的とはちょっとずれてるんだけどな」
「…?」
俺たちとは誰たちなのか若干気になる節はあったが、そこは空気を読んでスルーしておいた。というか空気を読むどころか空気が悪い。外も五月蝿い。
「パトカーの音が…」
「何?まじか。やべえな…よし、逃げるぞ」
「逃げるって、何処へ…」
「俺たちの拠点だ。心配すんな、結構広いし綺麗だぜ」
「はあ…」
そして僕は男に連れられ、3階の窓から飛び下りたのであった。
「あの」
「ああ?」
僕はその後、先に着地した男に見事キャッチされ、抱きかかえられたまま学校から数十メートル離れた駐車場に連れて行かれた。しかし足が異常に早い。これも能力者の力なんだろうか。
今は駐車場にあった男のバイクの後ろに乗せられ、高速道路を横断している。
そして未だにわかっていないことが1つ。
「散々色々話していただいたじゃないですか?」
「ああ」
「でも一つだけまだわからないことがあってですね」
「おう」
「教えていただきたいなー…なんて」
「……」
何故黙るのか。わかんないのかな、僕の言ってること。ちょっと遠回りすぎただろうか…。
「その…」
「赤阪龍王だ」
「へ?」
「名前。聞きたいんだろ?」
「ああ…はい。じゃあ…」
「あー、間違ってもアカサカサンとか呼ぶなよ。どっかの二丁目マラソンみてえで気持ち悪い」
「はあ…。じゃあ、龍王さんで」
「それでいい。黒須十次」
「……」
「おい、返事はどうした?お前の名前だろ?黒須十…」
「あの、あんまりその名前、好きじゃないんです」
そう、好きじゃない。だって…
「なんでだよ。良い名前じゃねえか。こう…十字架みてえな…」
「だから嫌いなんですよ」
だって、いつもこの名前のせいでからかわれる。クロスジュウジ。まるで十字架そのものだ。
本当、親のセンスを疑うね。
「…じゃあそのせいでいじめられてたわけだ」
「多分それ以外にも理由はあると思いますけど」
「ま、もうそんな生活ともバイバイだ」
「そう…ですね」
今になってちょっと実感湧いてきた。
僕が能力者になったせいで、西野くんやみんなは僕の捕獲を任され、僕がすぐに逃げなかったから、この男…龍王さんに殺された。
まだ飛沫した西野くんの血液が制服に付いたままだ。そりゃそうか。間接的に僕が殺したわけだし。
「何考えてるか知らねえが、もう割り切った方が得だぜ?ここから先、俺たちの本部に着けば、お前みたいな奴は山ほどいる」
「どういうことですか?」
「…行けばわかる」
大型の二輪バイクは音を立てて夜の高速道路を突っ切った。
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