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オリジナル創作長編『Solid color』連載中。
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こっから二章。
序章のような小話のような無駄話のような。
次から話が動きだす…はず…!


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 歓迎会から一夜明けた朝。空は少し曇っていたが、早口で喋る天気予報士が余程のアホでなければ今日は晴れるらしい。
 廊下から足音が聞こえる。聞くところによると、今日はみんな任務があるらしい。詳しいことは知らされていないけど、龍王さんは宮城県の小学校で狂人さんは北海道の児童養護施設、イースと然さんは韓国に渡るのだという。どうりで隣がうるさいわけだ。
 さて、僕はというと、外出禁止令が出ている。自分の能力が何なのか判明するまでは危険なので外には出ないようにとのことだった。別に外に用事もないのでこうして部屋にいるのだけれど、やっぱりちょっと暇になってきた。
 そうだ、今日は僕の家族の話をしよう。

 僕はごく平凡な一般家庭に生まれた。兄弟はいなかったから一人っ子で、遊び相手はパソコンやケータイやゲームなどなど。どちらかといえばオタクとか引きこもりの類に近いかもしれない。それというのも、父は単身赴任の連続で家にほとんどいなかったし、母も家事をこなすのに精一杯で僕の相手をする暇はなかった。
 そんなある日、激しいストレスと疲労から母がうつ病を発症した。病院通いが何ヶ月か続き、中2の春、母は都内の大きな病院に入院した。
 父はその報告を受けてもなお仕事を優先し、家には一切帰ってこなくなった。月に1度ほど電話が来たが、「まだ帰れない」と一言言って切ってしまう。その間にも母の容態は悪くなる一方で、心臓病まで発病する始末。治療のお金も底を尽き、医者もお手上げだった。
 そして翌月に鳴った電話は、父の死を告げるものだった。赴任先で交通事故にあったらしい。父はそれなりにデキる社員だったためやはりそれなりに稼いでいたようで、僕たちに残された金額は予想を遥かに越えたものだった。
 しかしその数日後、母が自殺した。父が死んだことが余程ショックだったのだろう。遺書には「もう生きる糧を失った」と書いてあった。
 僕の懸命な看病や父への祈りは同時に無となり、棺桶ごと火葬された。葬式の参列者たちは、親の死をもってしても涙ひとつ流さない僕をさぞ気持ち悪がった。
 僕は翌年マンションを借り、一人暮らしを始めた。中3だった。
 今思えば、誰も周りにいないことで受験勉強に力を入れられたのかもしれない。
 父の残した貯金や両親の保険金他諸々を合わせれば、私立の高校に行くことも容易かった。そのため僕はとくに努力もせず、内心や持ち前の八方美人で受験を早々と済ませた。
 そして3年間、充実した高校生活を送る…はずだった。

 そう、それで今に至る。
 暗い話だけれど、僕は特に悲劇などとは思っていない。寧ろ他人とは違う人生を送ったことで、何ごとにもそんなに動じない自分がいるのだと思う。それに…
「小学校炎上。夫婦で子供殺し…」
 施設内図書館の掲示板に張られた新聞記事。僕がまだ4歳の時のだ。
「この2人にはね、子供がいたんだ」
 振り返ると、そこには金沢…輝さんがいた。輝さんは僕に微笑みかけ、記事に目を戻した。
「僕と…いや、僕よりも壮絶な運命だったんだろうな…」
「そう思う?」
「…はい」
 少し迷ったが、僕は素直に答えた。輝さんはふふっと笑い、
「機会があれば、本人に話を聞くといいよ。きっとこれからの君には必要なことだと思う」
 本人…とは誰のことなのか、僕にはその時さっぱりわからなかった。けど、輝さんの言った通り、僕はその話を今でも良く覚えているし、人生の道標になったものだとも思っている。でもその話はもう少し後になってから話そう。
 今日は12月23日。明日はクリスマス・イヴだ。


To be continue....
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