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オリジナル創作長編『Solid color』連載中。
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龍王さんは次の第二章からたくさん出番があります(^q^)


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 昨日は変な一日だった。
 移動教室に行こうとしたら窓から赤い人が落ちて来て、ようやくできた友達は殺されて、僕は何故か保育所みたいなところに連れて行かれて、色んな人がいて、みんな何処かおかしくて。
 そんな激動の一日を終え、これから長く付き合うことになるであろう自室のベッドに倒れ込んだのは夜十一時。そして起きたのが今。
「まだ5時か…」
 備え付けの掛け時計が日の出の光に照らされていた。
 窓を開けて外を見ると、そこは都会の喧噪を忘れさせる奇妙な程静かな場所だった。
 見えるのは日の出と、少し離れた所にある海だけ。
 ろくに出かけたことすらなかった町の、しかも中心部から離れた場所なんて特定できるわけもなく、僕はここが何処なのか未だにわからないまま次の行動を考えていた。
「たしか10時に広間とか言ってたっけ…」
 ぶつぶつ独り言を言いながらベッドに腰掛けてぼんやりと天井を眺めていると、不意に昨日風呂に入っていないことを思い出した。
 あまりに激動の一日だったのですっかり抜けていた。
「えっと…地図と、あとは…」
 机の上に置いておいた地図を手に取りドアの方に向かうと、ベッドの横に着替えが置いてあるのに気付いた。多分銀さんが持ってきてくれたのだろう。
 僕はそれを持って部屋を出た。
 風呂場…というかシャワールームは思いのほか僕の部屋から近く、ポケットに入れた地図はあまり役に立たなかった。
 廊下を1人でゆっくり歩いてみて気付いたが、どうやら僕の部屋の左側に然さん、イース、狂人さん、龍王さんの順に部屋が続いているらしい。紫苑の部屋は少し離れた所にあり、七重さんもその辺りに自室があるらしい(昨日銀さんに聞いた)のだが、実質あの医務室が自室と化しているという。
 つまり1番部屋が集まっているのがこの一帯で、シャワールームやランドリー等の共同設備は全てこの階にあるようだった。
 とりあえず無事辿り着けたので、僕は中に入り一通りシャワーを済ませた。
 で、シャワールームを出るとそこには…
「狂人…さん…?」
 昨日散々ビビった挙げ句まともに挨拶すらできなかった、青島狂人その人が立っていた。
「あ、あの…シャワーなら、空きましたけど…」
「お前を広間まで案内しろと言われた」
「…へ?」
「いいから来い」
 唐突に何を言っているのかさっぱりだったが、スタスタと廊下を歩いて行く狂人さんの後を一定の距離を保ちながら歩いているうちに、とりあえず状況は理解できた。
 多分僕が1人で広間に辿り着けないであろうと判断した銀さんか誰かが彼に頼んだのだろう。でも何故狂人さん?ぶっちゃけ凄く迷惑だ。何されるかわかんないし…。
 そんなことを考えているうちに、そうやら広間に着いたようだった。中はなんだか賑やかだ。
「あ、狂人?」
 部屋に入ろうと狂人さんが扉に手をかける寸前、後ろから声がした。然さんだった。
「然さん」
「…」
 何も言わない狂人さんの代わりに、僕が返事をする。
「やあ、十次くん。おはよう」
「おはようございます」
 相変わらずまともな人だった。
「凄いね。もう狂人と仲良くなったんだ」
 ん?
「へ?あ、いや、これは、その…」
「狂人は人見知り激しいから、すぐに仲良くなるのは難しいんだよ。俺だって1年かかったし」
「いや、だから違くて…」
「大丈夫。無愛想だけど根は良い奴だから」
「はあ…」
 全く否定する隙がないので僕が反論を諦めかけたその時、狂人さんが口を開いた。
「然」
「ん?」
「俺はあの変態野郎に頼まれてこいつをここまで連れて来ただけだ。それ以上は何もない」
「…ああ」
 たまに喋ったと思うと抑揚のないトーンで早口に喋る。然さんもポカンとしている。
「あ、ありがとうございました」
 僕はその場にいるのがなんとなく嫌で、とりあえずお礼だけ言って部屋の中に入った。

「でも、嫌じゃないだろ、こういうの」
「…」
「昔はお前もあんな感じだったし」
「…なんで」
「龍に聞いたよ。ここに来てから変わったって」
「…お前には関係無い」
「そうだな、関係ない。でも…」
 でも、少しでもいいから、昔の自分を取り戻してほしい。
「そのために、ここに来たんだろ?」
「然」
「ごめんごめん。怒らせるつもりはないよ」
 怒りと憎しみでしか自分を制御できない。殺すことでしか、自分を示せない。そんな彼を、みんなが救いたいと思ってる。
「十次くんもお前みたいになると思う?」
「…いや」
 やっぱり。どっか波長が同じなんだ。
「あいつは俺みたいに人は殺せないだろうし、そんな力も持ってない」
「…だろうね」
「俺はあいつとは関わりたくない」
「思い出す?」
「ああ」
「そっか。じゃあできるだけ遠ざけるよ。輝さんにも言っておく」
「…頼む」
「了解。じゃ、俺は歓迎会参加してくるから」
「…」
 何も言わずに立ち去る彼の背中は、いつも見ているものと一緒だ。けど、俺には変わっていないように見えても、彼の中で彼の人生は180度変わった。
「君もそうなのかな…」
 扉の向こうから聞こえる声。救うべきか、それとも共に戦うべきか。
「ま、俺が悩むことじゃないか」
 決断は自身でするもの。俺は、俺たちは、見守ることしかできない。だけど、未来をを担うために生まれてきたはずの子供たちがこんな風に心を奪われていくのは、到底許せることじゃない。だけど…
「僕、ここ結構気に入りました」
 そう言って俺を見上げる少年は笑顔で。
「そっか、良かった。これからも宜しくね」
「はい。お世話になります」
 その笑顔を守るために笑顔で戦えるのなら、ここにいるみんなは、幸せなのかもしれない。

 僕は戦う。暗い闇に心を奪われた人たちを救うために。
 僕の力は、そのためにある。


To be continue....
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日々妄想。

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